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        唾液腺癌

唾液腺(ツバを作る腺)には、耳下腺(顎の骨の付け根にある)顎下腺(顎の骨の裏側にある)舌下腺(舌の付け根の粘膜下にある)と、口の中の粘膜下に小唾液腺と言う小さな唾液腺が多数あります。
いづれの腺も癌ができる可能性があります。

唾液腺の癌の症状は腫れてくることです。

診断は容易ですが、唾液腺は良性腫瘍が大変多いところです。
甲状腺と同じく、針を刺して細胞を調べます。
が、唾液腺は甲状腺と違い良性・悪性の区別がつきにくい場合があります。

一部をとって調べることは、診断がつかない場合だけです。

治療は良性であれ悪性であれ、手術で取り除きます。
良性でも、手術をしなければなくならないし、少しづつ大きくなっていきます。
何十年も放っておきますと癌に変わることが
知られています。

耳下腺の中を顔面神経(顔の筋肉を動かして、顔の表情を作る。)が通っており、悪性の場合は、やむなく、切ることがあります。

唾液腺腫瘍がどうしてできるのかは全くわかっていません。若い人でも高齢者でもできます。

 

 

 思い出に残る患者さんの話

     aさん(顎下腺癌? 60代女性 )

私が癌研で主治医になった初めての大きな手術予定の患者さん。

ひどいリウマチがある。

顎の下が固く腫れて、その上の皮膚が真っ赤になっている。
顎下腺癌の疑いで手術予定で入院した。てっきり癌かと思ったが、何度、細胞の検査をしても、癌細胞がでてこない。

しかたがないので、腫瘤に直接メスを入れて、細胞を調べた。
今度も、何度やっても癌細胞がでてこない。

もし癌なら、下顎の骨も顔の皮膚もとらなければならない。

癌細胞が証明されなければ、そのような手術はできない。

しこっているところだけとることにした。
結果は、膠原病によるものであった。

 

 

 

     bさん(耳下腺癌 20代 女性)

bさんは耳の下が腫れている。
検査してみると耳下腺癌であった。

彼女の手術をどうするか、我々のカンファレンスで話し合った。

「癌なのだから、顔面神経は切った方が良い。」 ある先生がそう言った。

「正論だが、私が親の立場なら、嫁入り前のわが子の顔面神経は切れない。残すことにしよう。」と、部長が発言した。顔面神経をきると顔の半分が曲がってしまう。

幸い、癌と神経の間の癒着はなく、再発もない。

今、私自身が娘の親になってみると、あの時に部長先生の言ったことが良くわかる。