たかはし耳鼻科クリニックHP

        鼻血

これも耳鼻科の外来では多い訴えです。

鼻血の多くは鼻中隔前方(右の鼻の穴と左の穴の壁)から出ます。
特に、子供の鼻血のほとんどはここです。
この部位は、鼻中隔の血管が集まってくる場所で血流が良く、且つ、粘膜は皮膚に比べて薄くて、人間の身体の中でも最も出血し易い部位なのです。

幸い、ここには太い血管はありませんので大出血することはありません。

鼻の中に何も傷がなくても、血管からにじみ出てくるのです。
ですから、今後絶対に出血をしないようにする方法はありません。
耳鼻科医にできることは、今出ている出血を止めることと、出血の原因となっている特別な病気があるか否かを診ることだけです。

鼻の中を見ると、血管が浮き出ていることがあります。その場合は、そこから出ている可能性が高いので、電気で血管を焼くことがあります。
ガーゼをいっぱい入れて圧迫して止めたり、特別な管を入れて風船を膨らませて圧迫したりします。

自宅で鼻血が出たなら、多くは鼻の入り口なので、鼻の入り口に何か詰めて、鼻翼を指で強くつまんで圧迫して下さい。それでも止まらなければ、病院に行って下さい。

重要なのは血液の病気です。血液の病気などで血が固まりにくくなると、身体で出血し易い部位が鼻なので、まず鼻出血があります。

独協医大の私の外来で見つけた血液疾患の患者さんは2名でした。

1人は中校生、一人は小学生でした。「鼻血がでる。」と言って、外来に来られました。

良く見ると、皮膚に内出血がありました。念のために血液検査をしてみると、一人は白血病、一人は突発性血小板減少症(原因不明で血液を固める血小板が減少する病気)でした。

すぐに、小児科に依頼しました。

もう一つ、重要なのは腫瘍です。鼻腔から上咽頭にかけては、良性悪性の腫瘍ができます。

腫瘍があるかどうか、専門医にチェックしてもらって下さい。

 

 

       Aさん(上咽頭血管繊維腫 10代男性)

鼻血が続くので地方の某大学病院を受診、上記の診断で、手術を目的に癌研に入院した。

血管繊維腫とは、細い血管の塊のような腫瘍で思春期に好発する。手術は上手くいった。

退院まじかのある日、「せっかく東京にでてきたのだから、ディズ二−ランドに行きたい。」

彼は中学生である。

主治医が夏休みのある日、主治医が夏休みをとっている日に主治医に無断で、医局員数名と若い看護婦さん数名と彼と、仕事が終わってからディズ二―ランドに出かけた。

鼻の傷はきれいになっていたが、念のため、鼻出血を止める用意をして出かけた。

彼はスペース・マウンテン(乗った方はわかると思うが、暗闇の中を走るジェット コースター)がいたく気にいった様で、もう一回、乗ると言う。しかたがなく、もう一回、行列に並んだが、私は大の苦手。
一回乗るのも大決心だったのに、再び乗るなんて・・・。

第一、   止血の容易と懐中電灯を用意して来たとはいえ、もしもあのジェット コースターに乗っている時に鼻血が出たら、止めようがない。

癌研に帰ったのは、夜の十一時を過ぎていた。次の日、婦長さんの説教。

「婦長さん。あなたが怒るのも、もっともです。
病棟の看護婦さんに断って行ったとはいえ、夜の十一時まで中学生の患者さんと遊び歩くなんて、とんでもない医者です……」

 

       Bさん(鼻腔癌 60代 男性

彼は耳鼻科の開業医である。
最近、よく鼻血が出るので、気になって、自分の鼻をファイバ−スコ−プで覗いて見た。鼻に腫瘍ができていた。細胞を調べると癌であったが、早期発見だったので簡単な手術
で治った。