いびきと睡眠時無呼吸の話
(1) いびきの話
貴方はいびきで悩んでいませんか。
いびきはどうして起きるかといいますと、のどと鼻腔の間の空気の通り道(上気道)の
どこかに狭いところがあることによります。
いびきをかきやすいのどの形状があります。
(2)いびきをかきやすいのどのタイプ
図を見てください。いびきをかきやすいのどの形状には、大きく分けて、次の4つの形状があります。第一は、口蓋垂(のどちんこ)が長く、垂れ下がっているため、上気道が塞ぎやすくなっている人。次に、軟口蓋が大きく、同じく塞がりやすくなっている人。
口蓋垂を中心にした軟口蓋の角度が急な人。この場合も鼻とのどとの間が狭くなり、いびきが大きい原因になります。また、扁桃腺が大きい人も、上気道を狭くして、いびきの原因になります。肥満体の人も、扁桃腺の裏側の脂肪組織が多いので、同じ理由でいびきの原因になります。
いびきの大きい人は、これらのどれかののどをしているはずです。
我々、耳鼻科医はのどの形を見ればいびきの原因がわかります。






(3) 危険ないびき(自分にはわからない)
いびきがひどいと、睡眠中、呼吸が10秒以上止まっていることがあります。大抵は、一緒に寝ている人に指摘されて気づきますが、一人で寝ている人は気がつきません。睡眠時無呼吸があると、以下の症状が出てきますので、思い当たる方は、気軽にご相談下さい。
1、 日中、我慢できないほど眠くなる。
2、 眠っても疲れがとれず、熟睡感がなく、だるい。
3、 睡眠中に息が苦しくて、目が覚める。
4、 夜中に何度も目が覚める。
5、 朝起きた時に頭痛がする。
6、 日中、集中力が続かない。注意力が低下する。
(4) 一人暮らしでも無呼吸があるかどうかがわかる
上記のような症状があって、且つ、のどの形がいびきをかきやすい人には、無呼吸の状態をモニターする機械をお貸しして、一晩、自宅で睡眠時に装着してもらいます。
後日、そのデーターを分析します。
睡眠中の無呼吸の回数、その程度がわかります。
無呼吸になりますと、血液中の酸素が低下しますが、その程度もわかります。
(5) 睡眠時無呼吸が生活習慣病を招く
無呼吸状態が続きますと、体内が低酸素状態になります。酸素不足は、わかりやすく言うと、激しい運動を行ったのと同じ状態になりますから、身体はそれに対応しようとします。
脈は速くなり、血圧は上昇します。高血圧は動脈硬化の原因となり、心臓病や脳卒中など、生活習慣病につながります。
(6) 熟睡できないと、日中に眠たい
日中の眠気は集中力の低下につながります。仕事中のうっかりミスや運転中の居眠り事故の原因となります。以前JRの運転手が運転中にうとうとしていたことが問題となりましたが、あの運転手さんも無呼吸があるかもしれません。
(7) 治療はどうするか
治療は、原因を取り除くということです。
原因が難口蓋にある場合には、肥大している部分を切ったり、狭い部分の粘膜をきって広げたりします。
私のクリニックでは、レーザーで外来的に日帰り手術を行っています。原因が扁桃肥大にある場合は、扁桃を摘出します。
原因が肥満にある場合には、減量してもらうしかありません。
やせるまでの間は、かばんに入るぐらいの人工呼吸器を貸し出して、それを就寝中つけてもらいます。
(8) まとめ
睡眠時無呼吸症は、10秒以上の無呼吸が1時間あたり5回以上認められる状態をいいます。
生活習慣病との関連性が言われており、10年後の死亡率が30〜40%との報告もある。
しかし、外来でもできる簡単な手術で直せるものなど、原因を治療すれば、治せない無呼吸はない。
いびきが大きくて悩んでいる方、無呼吸で悩んでいる方、ご相談下さい。
